近藤博美のコラム
3月中旬、久々に東京へ2泊3日の旅行へ行って来ました。
いろんな刺激も受けましたが、一番印象深かったのが六本木のギャラリーKOTARO NUKAGAで開催された、九人のアーティストによるグループ展「ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ(Die Young,Stay Pretty)」のトークイベントに参加したことです。
2日目の夕方少し時間ができたので、六本木のピラミデビルへ。ここは隣りのcomplex665と一緒に森ビルが管理して多くのギャラリーを集めています。設計は青山のフロム ファーストビルと同じ山下和正です。
1つのギャラリーの入口に行列ができていたので覗いて、受付の人に聞くと、今からトークイベントが開催されますとのこと。参加できますか?と尋ねると、予約制ですが後ろに立ってであればと言われたので中に入って立っていました。
目の前にいる日本人アーティストをどこかで見たような気がするな?などと思っていると、「スタート時間になりました。椅子が空いてるのでどうぞ」とそれこそ、ギャラリストの額賀古太郎さんに声をかけられて、幸運にも座ることができました。…トークイベントは1時間半以上続きました。
男・女2人のキュレーターの司会進行で始まった、トークイベントはブルックリンに800㎡のスタジオを持ち20名以上のスタッフを抱えていると話す日本人アーティスト、本展覧会の共同キュレーターの1人でもある松山智一さんの話からスタートでした。
ネットで調べてみると、情熱大陸等TVに多数出演されていた方で、コロナ禍でのスタジオでの物語等が放映されたのを思い出しました。
AIが美術コンテストで優勝したりする時代の創造。いろんなところに思考を巡らせながら、話を聞いていました。
日々の生活に五感を研ぎ澄まし、身を削り、湧き上がる「生きる」ということの「美しさ」を表現し、感じることはAIにはできないんだと妙に納得できました。
長々と話す男性陣と比べ、ご主人と2人で来日されたStay Prettyな1944年生まれのカンディダ・ヘーファーや、すごく秀逸な同時通訳など、女性達の男前ぷりが気持ち良いトークイベントでした。
アーティストのようにストイックに集中することは難しくもありますが、時には今回の旅行のように、浴びるように見て、空間に身を委ね、感じることで少しでも感覚を豊かにできればと思っています。
何気に、こんなイベントに出くわして刺激を受ける東京、旅は必要ですね。