家づくりのアイデア・デザイン(パティオⅣ)
南区のH様邸のパティオはいろいろな用途を考えて作りましたが、その中の1つとして、建築基準法上の採光計算を充たすためにも設けました。
建物のプランニングをする時は、もちろん周りの環境を考えて、採光や通風などの計画を行いますが、建築基準法では隣地境界線の向こうの環境がどの様に変化しても大丈夫なようにと考えて計算を進めます。
パティオを作ることによって回りの視線をコントロールしたり、騒音や臭いを防いだり、風の流れを作ったりと、いろいろなことに活用しますが、法律の影響も大きかったりします。
こちらの写真は2階のリビング横のデッキスペースからパティオを見降ろしたところです。奥のコーナーにある、ファイバーグレーチングを被せた足洗い場は、写真の時点ではまだ水栓も付いてはいませんが、温水の出るシャワー水栓を準備して犬の散歩の後のお手入れに使うことを想定しています。
水栓の左隣のサッシの内側には廊下に面した1帖程のタイル貼の土間があり、ゲージ置き場になります。
中央区S様邸の場合は、玄関土間を抜けて、奥の引戸を開けるとパティオに出ます。土間の地窓からグリーンが見える右手の壁は、古いレンガをスライスして作られたタイルを目透かしで張っています。
オリジナルの専用金物をタイルの隙間に差し込んで使うことで、写真のように自由に額をレイアウトすることができます。
パティオに出ると、このオーバーフォールのある水盤が現れます。ここを渡って、パティオに行く嗜好です。自宅の中にいろんなシークエンスを持つ空間は、生活を豊かに彩ってくれそうです。
水盤は水量を抑えることでメンテナンスを楽にして、ランニングコストも抑制するように考えています。
パティオを囲んだ壁の一部を白い漆喰で仕上げることで、写真のようにスクリーン替わりに使い、建物内部からプロジェクターで投影することができます。
投影する高さを上下することで、建物のいろんな場所から見ることができて、楽しみが広がります。