一枚の写真
今回ご紹介する一枚は、ビルトインガレージだったスペースをリノベーションして造った書斎の写真です。
フェラーリの停まっていたガレージが、趣あるオフィスへと生まれ変わりました。
■車を照らしていたライトを生かしオフィス仕様に
こちらの書斎には、元のガレージの名残が少しだけ残されているのにお気づきでしょうか?
明るい天井照明と、左の本棚上にあるスポットライトは、ここにあったフェラーリを照らすためのものでした。それをそのまま活用しつつ、天井にレッドシダーの板を貼ることで、居心地の良さを感じる温もりある空間へと生まれ変わらせました。
床はブラックウォールナットの無垢フロアです。実は本棚の仕切り板にも同じ素材を使用し、空間に統一感が生まれるようにデザインされています。
写真左の窓は、元はダイニングから車を眺めるためにつくられたものです。これも空間に抜け感をもたらすためにあえて残しました。
表にはガレージ用のシャッターも残されているため、出入り口にあるガラスの引き戸は木製にしました。
■使い勝手を重視したオーダーメイドの可動棚
書類や本が収められている棚は、大工さんによるオーダーメイドです。オーナーさんが使っている無印良品の箱がピッタリ入るように、パインの集成材で作ってもらいました。
よく見ると、本棚の列ごとに棚板の位置が違うのが分かりますか?棚板を入れる溝を左右で同じ位置に掘ると、仕切り板が薄くなってしまうためそのように工夫してもらいました。
■素材の良さを味わう空間
右手の棚も本棚と同じ素材で造り、扉にはある程度厚みのあるシナランバーを使って仕上げました。通常は棚板などとして使われることの多い材料ですが、目の目立たないきれいな板なので、このように表に使うこともできます。
ミニシンク付きのカウンターの天板は、アイカ工業のポストフォームカウンターです。壁のタイルは、メタリックに光る名古屋モザイクのジュメイラを使いました。一般的なモザイクタイルは高価ですが、これはそれほど高くなくてラグジュアリーな雰囲気になるため、よく使っています。
奥の帽子がかかったフックは「KAWAJUN(カワジュン)」というメーカーのものです。いろんな金物インテリアを作っているメーカーで、デザイン性が高いので、ペーパーホルダーなども同社から取り寄せることが多いです。