近藤博美のコラム
数年前に「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」というタイトルに惹かれて本を購入し、読んでみると面白くてみんなに紹介したり、貸したりしていました。(今は手元に見当たらないのですが?)
文字どおり、ライターの川内有緒さんが白鳥さんと美術館にアートを見に行くストーリーです。
昨年には本屋大賞のノンフィクション本大賞を受賞されました。
その川内さんが共同監督を務めて撮ったドキュメンタリー映画が、福岡市美術館のミュージアムホールで上映されたので行って来ました。
前日は日本語字幕版の上映で、この日が音声ガイド版での上映でした。初めての体験でしたが違和感なくスンナリと入っていけて楽しめました。
彼女が美術館に行きたいと言うので「じゃあ俺も行くよ」
一緒に行き、楽しかったのでまた行きたいと、なぜか?一人で美術館に電話して、館内アテンドしてもらいながら作品の印象を言葉で教えてほしいとお願いするんです。
そうして、白鳥さんが最初に一人で行った、名古屋市美術館で「ゴッホ展」の作品を3時間かけて巡った後、アテンドした美術館スタッフから「今までこんなにじっくり作品を見る機会はなかったからとても楽しかったです。ありがとうございました。」と言われ、驚くのと同時に相手も一緒に楽しんでくれたんだと気づいたそうです。
昼食を挟んで同じ会場で開催されたリレートーク「アートとのいろいろな関わり方」にも参加しました。(3時間はちょっとだけ長かったかも?)
白鳥さんはリレートークのゲストとして缶ビール片手に一番に登壇されて、他のゲストの方も交えながら忌憚なく話されていたのが印象的でした。
全盲の美術鑑賞者、写真家として、鑑賞会のナビゲーターや講演活動を職業としてこなしながら、出かけた先では一人で居酒屋を梯子する様子に刺激を受ける自分がいました。
こんな刺激を時々くれる福岡市美術館ですが、来春の完成を目指して準備をしている、アートをコンセプトにしたアーバンテラス警固Ⅰからは、けやき通りを抜けてウインドーショッピングを楽しみながら歩いて15分程で行けるんです。
この11月に完成見学会を開催するアーバンテラス地行Ⅱからも大濠公園を散策しながら歩いて20分弱です。
上の写真は美術館2階のエスプラナード広場から日本庭園と武道館方向を写したものです。
この場所に隈研吾設計(福岡では太宰府のスタバが有名ですかね?僕としては“自分が隈さんに設計させた”と言った壇太郎さんと一緒に食べに行った早良区田村の万十屋を思い浮かべるのですが。)の新福岡県立美術館が2029年には開館予定です。
2030年を目標に大濠公園と舞鶴公園を一体的に整備する予定のセントラルパーク構想なんてのもあります。
どう変わるか楽しみですね!