【近藤博美のコラム】一枚の写真〜ハイサイドライトのある2階リビング〜
共和住宅では、建築の完成写真をフォトオフィスフォルテの河波隆博さんに撮ってもらっています。
撮影の際には家具やグリーン等をディスプレイし、空間の雰囲気を分かりやすくお伝えすることを心がけており、一枚一枚の写真には造り手の想いがたくさん込められているのです。
本日は、その一枚の背景に隠された想いをお伝えしたいと思います。
■月明かりを愉しむ空間
こちらの写真は、南区にある北斜面に建つ2階リビングの住宅です。正面上部のハイサイドライトからは南の日差しがたっぷりと入ってきますが、2階リビングの最上部にあるため外部からの視線が気になることはありません。
天井からランダムに吊り下げられた10個のペンダントライトは、バランスを考えながらコードの長さを特注しました。満月の夜、ハイサイドライトから射し込む月明かりの影を思いながら。
その下にある間接照明に照らされた壁は、パーティクルボードを正方形にカットして、目透かしに貼ったものです。壁の右手の本をディスプレイしてカモフラージュした取手のある隠し扉を作るために、敢えて目透かしにしています。
■隠し扉の先にある広い収納スペース
写真の通り、隠し扉を開けると奥には広い収納があります。壁掛けTVの配線等は収納側から取り付けられるようになっています。LDKをスッキリさせるには、たっぷりの収納が必須です。
隠し扉には、LAMP(スガツネ工業)のモノフラットリンクスヒンジを使用しているため、まっすぐに引っ張り出せて横にスライドさせることができ、扉があることを感じさせません。
ハイサイドライトには遮光目的で縦型ブラインドを付けていますが、操縦紐は表には出さずに、上部の棚と間接照明を抜けてまっすぐ垂らしています。予算が合えば、電動という手もありますね。
ブラウンのワンシーターのソファーは、中央区の薬院にあるeel(イール)さんで手に入れたものです。アンティークの革を使って作られた椅子で、雰囲気が気に入ってディスプレイしました。ご見学に来られたお客様にも好評で、「どこのですか?」と聞かれてご紹介しているうちにどんどん人気が高くなり、今では値段も上がってしまいました…。
アンティークやビンテージの家具はインテリアに深みを増す気がして、ちょこちょこ使っています。